SDGsや社会貢献活動に力を入れる大学が注目を集めています。持続可能な社会の実現に向けて、教育機関としての役割を果たす大学を選びたいと考える受験生や保護者の方も多いでしょう。
この記事では、国立大学から東京大学・京都大学・筑波大学、私立大学から慶應義塾大学・早稲田大学・立命館大学などの取り組みを紹介します。これらの大学は、独自の研究や地域連携プロジェクトを通じて、社会課題の解決に積極的に取り組んでいます。
この記事のポイント
- THEインパクトランキングなどの国際評価基準でSDGs貢献度を測定
- 東京大学・京都大学などの国立大学の、社会課題に取り組む組織を紹介
- 慶應・早稲田・立命館など私立大学も地域連携で独自の取り組み
大学のSDGs・社会貢献活動の評価基準
大学のSDGs・社会貢献活動を客観的に評価するためには、国際的な評価基準と国内の評価制度を理解することが重要です。これらの基準は、大学選びの重要な指標となります。

THEインパクトランキングの評価項目
タイムズ・ハイアー・エデュケーション(THE)の「THEインパクトランキング」は、SDGsへの貢献の度合いで大学を評価する国際的なランキングです。世界の多くの大学が参加しており、日本の大学も多数参加しています。
評価項目は17のSDGs目標に基づいています。「質の高い教育をみんなに」「ジェンダー平等を実現しよう」「気候変動に具体的な対策を」などの分野で大学の取り組みを測定します。研究の社会的インパクト、地域連携の実績、キャンパスの持続可能性などが総合的に評価されます。

国内の第三者評価(認証評価)
国内では、大学は定期的に第三者機関による「認証評価」を受けることが法律で義務付けられており、大学改革支援・学位授与機構(NIAD-QE)などの評価機関が、教育研究や社会との連携の状況を評価しています。
評価の結果は、各評価機関や大学の公式サイトで公表されています。
特に国立大学では、6年ごとに中期目標・中期計画を定めて運営しており、第4期(2022〜2027年度)の計画でも、社会との連携や地域への貢献が柱の一つになっています。各大学の公式サイトには、具体的な推進体制と活動実績が公開されています。
SDGs達成に貢献する国立大学
国立大学は、豊富な研究資源と公的使命を活かしています。SDGsに関わる研究や社会連携にも取り組んでいます。

東京大学:未来社会協創推進本部を中心とした取り組み
東京大学は、SDGsなど地球規模の課題に大学全体で取り組むため、2017年に「未来社会協創推進本部(FSI)」を設置しました。学内の研究や教育のうち社会課題の解決につながるものを登録・発信する取り組みを行っており、具体的な活動は大学の公式サイトで紹介されています。
京都大学:環境・エネルギー分野の研究
京都大学には、環境問題を学際的に研究する「地球環境学堂・学舎」があり、環境・エネルギー分野の研究と人材育成に取り組んでいます。具体的な研究や活動は大学の公式サイトで確認できます。

筑波大学:スポーツと共生社会に関する取り組み
筑波大学は体育・スポーツ分野の教育研究で知られ、障害のある人のスポーツや共生社会に関する研究にも取り組んでいます。具体的な取り組みや実績は大学の公式サイトで確認できます。
社会課題解決に取り組む私立大学
私立大学は、建学の精神と独自の教育理念に基づいています。多様なアプローチでSDGs達成に貢献中です。産学連携や地域密着型の活動で特色ある取り組みを展開しています。

慶應義塾大学:SFCの研究会と地域との連携
慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)では、1年生から研究会(ゼミ)に所属でき、地域や企業と連携して社会課題に取り組むプロジェクトも行われています。具体的な活動は大学の公式サイトで確認できます。
早稲田大学:平山郁夫記念ボランティアセンターの活動
早稲田大学には、学生のボランティア活動を支える「平山郁夫記念ボランティアセンター(WAVOC)」があり、国内外のさまざまな社会課題に学生が関わるプロジェクトを支援しています。具体的な取り組みは大学の公式サイトで紹介されています。

立命館大学:立命館SDGs推進本部の取り組み
立命館大学を設置する学校法人立命館は、学園全体でSDGsに取り組むための「立命館SDGs推進本部」を設けています。研究面では「立命館グローバル・イノベーション研究機構(R-GIRO)」が、社会課題の解決につながる研究拠点づくりを進めています。具体的な活動は大学の公式サイトで確認できます。

地域密着型SDGs・社会貢献活動を行う大学
地方に立地する大学は、地域の特性を活かした独自の社会貢献活動を展開しています。産学官連携や地域医療、災害対策などの分野で重要な役割を果たしています。地域課題の解決を通じて、SDGsの目標達成に貢献する特色ある取り組みを推進中です。
金沢工業大学:地方創生と産学官連携
金沢工業大学は、SDGsを教育や研究に取り入れる取り組みで知られ、地域の企業や自治体と連携したプロジェクトも行っています。具体的な活動は大学の公式サイトで確認できます。

岡山大学:地域医療とSDGsの推進
岡山大学は、大学病院を中心に地域医療を支えているほか、大学全体でSDGsの推進に取り組んできたことで知られています。具体的な活動は大学の公式サイトで確認できます。
九州工業大学:地域企業との連携
九州工業大学は、北九州市などにキャンパスを置く工学系の国立大学で、地域の企業と連携した共同研究や人材育成に取り組んでいます。具体的な活動は大学の公式サイトで確認できます。

SDGs・社会貢献活動の具体的な成果と評価
大学のSDGs・社会貢献活動は、国際的な評価と地域社会への具体的な貢献の両面で測定できます。客観的な指標と実際の社会的インパクトを確認することが重要です。
国際的な評価・ランキングでの実績
THEインパクトランキングやQS世界大学サステナビリティランキングでは、日本の大学も数多く評価の対象になっています。分野ごとの順位は年によって入れ替わるため、最新の結果は各ランキングの公式サイトで確認しましょう。

地域社会への具体的な貢献事例
大学の社会貢献活動は、地域社会に具体的で測定可能な成果をもたらしています。経済効果、雇用創出、生活の質向上など、多面的な価値を創造しています。
九州大学は、福岡市西区などにまたがる伊都キャンパスへの移転を機に、周辺地域と一体となった「九州大学学術研究都市」づくりが進められてきました。
東北大学は、東日本大震災の翌年に「災害科学国際研究所(IRIDeS)」を設置し、災害の研究と被災地の復興支援に取り組んでいます。
北海道大学では、農学分野でロボットトラクターなどスマート農業の研究が進められています。
まとめ:社会貢献を重視する大学選びのポイントは?
SDGs・社会貢献活動を重視する大学選びでは、以下の3つのポイントを確認することが重要です。
1つめは、大学の公式な取り組み体制を確認することです。SDGs推進本部や社会連携センターなどの専門組織があることが重要です。具体的な予算と人員が配置されているかをチェックします。各大学の情報公開ページや中期計画で、数値目標と実績が明示されている大学は信頼性が高い大学です。
2つめは、国際的な評価指標での実績を参考にすることです。THEインパクトランキングやQSサステナビリティランキングでの評価は客観的な指標です。これらは重要な評価基準となります。特に自分が関心を持つSDGs分野(環境、教育、健康など)での評価が高い大学を優先的に検討しましょう。
3つめは、学生が実際に参加できる活動の充実度を確認することです。ボランティアセンター、産学連携プロジェクト、国際協力活動など、学生主体で社会課題解決に取り組める環境が整っているかを調べてください。これらの経験は卒業後のキャリアにも直結する貴重な機会となります。
集中して大学研究を進めたい受験生の方には、静かな学習環境も選択肢の一つです。24時間利用できる有料自習室なら、時間を気にせず志望大学の情報収集や受験勉強に取り組めます。
よくある質問
Q. SDGsに力を入れている大学の学費は高いですか?
A. 国立大学の授業料は、国が定める標準額が年535,800円で、大学によってはこれより高く設定しています(例: 東京大学は2025年度入学者から年642,960円)。私立大学では大学によって異なりますが、社会貢献活動の充実度と学費の高さに直接的な関係はありません。奨学金制度の充実度も併せて確認することをおすすめします。
Q. 文系学部でもSDGs関連の活動に参加できますか?
A. はい、可能です。法学部では人権・ジェンダー平等、経済学部では貧困・格差問題、文学部では教育・文化多様性など、各学部の専門性を活かしたアプローチでSDGsに貢献できます。多くの大学では学部横断型のプロジェクトも実施されており、文理の枠を超えた学びが可能です。
Q. 大学のSDGs活動は就職活動に有利ですか?
A. SDGsに関わる活動の経験は、取り組んだ内容や自分の役割を具体的に説明できれば、就職活動でアピールする材料になります。活動内容と成果を具体的に説明できるよう記録を残しておきましょう。
Q. 地方大学と都市部大学、どちらがSDGs活動に適していますか?
A. それぞれに特徴があります。地方大学は地域密着型の課題解決や産学官連携に強みがあり、都市部大学は国際連携や多様なNPOとの協働機会が豊富です。自分が関心を持つ分野と将来のキャリア目標に応じて選択することが重要です。
Q. 大学のSDGs活動の情報はどこで確認できますか?
A. 各大学の公式サイトの「社会連携」「地域貢献」セクション、年次報告書、中期計画などで詳細な活動内容を確認できます。また、THEやQSなどの国際ランキング機関の公式サイトでも客観的な評価データが公開されています。大学説明会やオープンキャンパスでの直接質問も有効です。
※本記事の情報は2026年9月時点のものです。最新情報は各公式サイトでご確認ください。
最終更新: 2026年9月29日
※本記事内の統計・数値・データは記事公開時点の情報です。最新情報は各公式サイトでご確認ください。

