春闘の賃上げ率は、業種によって差があります。厚生労働省「民間主要企業春季賃上げ要求・妥結状況」(2026年7月31日公表)によると、2026年の民間主要企業の賃上げ率は平均5.18%で、建設は6.45%と、金融・保険の6.48%に次ぐ高さでした。
この記事では、業種別の賃上げ率の実態と、建設業の賃上げ率が高い背景、働く人のキャリアへの影響を解説します。
この記事のポイント
- 2026年春闘の賃上げ率は平均5.18%、建設は6.45%で金融・保険に次ぐ高さ
- 建設業では技能労働者の不足が続き、処遇の改善が課題になっている
- 製造業の各業種は4.68〜5.97%、最も低いのは運輸の3.44%
2026年春闘の業種別の賃上げ率は?
厚生労働省の集計では、2026年の民間主要企業の賃上げ率は平均5.18%で、2025年の5.52%を下回りました。業種別に見ると、建設は6.45%で、金融・保険の6.48%に次ぐ高さでした。

建設業は平均を上回る水準
建設業の賃上げ率は、2025年の5.96%から2026年は6.45%に上がり、平均を1.27ポイント上回りました。一方で、金融・保険は6.48%と建設業をわずかに上回っており、製造業の中にも5%台後半の業種があります。建設業だけが突出しているわけではありません。
| 業種 | 2026年 | 2025年 |
|---|---|---|
| 平均 | 5.18% | 5.52% |
| 建設 | 6.45% | 5.96% |
| 金融・保険 | 6.48% | — |
| 製造業の各業種 | 4.68〜5.97% | — |
| 運輸 | 3.44% | — |
出典: 厚生労働省「民間主要企業春季賃上げ要求・妥結状況」(2026年7月31日公表)。「—」はこの記事で扱っていない値です。

なぜ建設業界の賃上げ率は高いのか?
建設業の賃上げには、人手不足をはじめとする構造的な要因があります。
人手不足が続いている
国土交通省によると、建設業の就業者数はピークだった1997年の685万人から、2023年には483万人まで減っています。高齢化も進んでおり、技能労働者を確保するための処遇の改善が課題になっています。

公共工事の労務単価の引き上げ
防災・減災やインフラの老朽化対策などで、公共投資は一定の水準で続いています。国も技能労働者の処遇改善を進めており、公共工事の積算に使う設計労務単価は毎年引き上げられています。
資格を持つ技術者の需要
施工管理技士などの資格を持つ技術者は工事の管理に欠かせず、人材の確保が課題になっています。ICT施工やBIMなどのデジタル技術に対応できる人材も求められています。

建設業界以外の春闘賃上げ状況
2026年春闘では、建設業以外にも平均を上回る業種があります。
製造業は業種によって差がある
製造業の各業種の賃上げ率は4.68%〜5.97%で、業種によって1ポイント以上の差があります。平均を上回る業種もあり、製造業がひとまとまりで低いわけではありません。

金融・保険が最も高く、運輸が最も低い
2026年に最も高かったのは金融・保険の6.48%で、最も低かったのは運輸の3.44%でした。人手不足が指摘される業種でも、収益の状況などによって賃上げ率には差が出ています。
注意すべきポイント
- 業界平均の賃上げ率は企業規模や職種により大きく異なる
- 中小企業では大企業ほどの賃上げを実現できていないケースが多い
- 非正規雇用者の賃上げ率は正社員より低い傾向にある
今後の賃上げはどう推移する?
業種ごとの賃上げ率は、景気や企業の収益によって年ごとに変わります。今後の動きは、厚生労働省や連合の集計で確かめることが大切です。

建設業の今後
国土交通省は、技能労働者の高齢化が進むなかで担い手の確保を課題に挙げています。人材を確保するための処遇の改善は続くと考えられますが、賃上げ率は景気や企業の収益にも左右されるため、毎年の集計で確かめる必要があります。

働く人への影響と対策
業種ごとの賃上げの違いは、キャリアを考える材料のひとつになります。
建設業界で求められる人材
建設業界では、施工管理技士などの資格を持つ人材や、現場を支える技能労働者の確保が課題になっています。転職を考える場合は、賃金だけでなく働き方や勤務地、資格の取得支援の有無も確かめておきましょう。

資格とデジタル技術を身につける
建設業界で評価を高めるには、資格の取得が効果的です。1級建築士、1級土木施工管理技士、1級建築施工管理技士などは、工事の管理に必要とされ、転職や昇進でも評価されやすい資格です。
BIMやCAD、ICT施工などのデジタル技術を学んでおくと、担当できる仕事の幅も広がります。資格や技術の習得は、長い目で見て収入の向上につながる可能性があります。
スキルアップのチェックリスト
- □ 建設業界の国家資格取得計画を立てる
- □ BIMやCADなどのデジタル技術を学習する
- □ 安全管理や品質管理の知識を深める
- □ 英語力を身につけて海外プロジェクトに対応
- □ マネジメントスキルを向上させる
まとめ
2026年春闘の民間主要企業の賃上げ率は平均5.18%で、建設業は6.45%と金融・保険の6.48%に次ぐ高さでした。製造業の各業種は4.68〜5.97%、最も低いのは運輸の3.44%で、業種によって差があります。
建設業の賃上げの背景には、技能労働者の不足や、公共工事の労務単価の引き上げなどがあります。働く人にとっては、資格の取得やデジタル技術の習得がキャリアの選択肢を広げます。
資格取得には継続的な学習が欠かせません。集中して学習に取り組める環境を探している方は、自習室の活用も選択肢のひとつです。
よくある質問
Q. 建設業界の賃上げ率が高い理由は何ですか?
A. 主な理由は、技能労働者の不足と、人材を確保するための処遇の改善です。国も公共工事の設計労務単価を毎年引き上げています。2026年の建設業の賃上げ率は6.45%で、平均の5.18%を上回りました。
Q. 他業界でも建設業界並みの賃上げは期待できますか?
A. 2026年は金融・保険が6.48%と建設業を上回り、製造業にも5%台後半の業種があります。業種や企業の収益によって差があるため、最新の春闘の集計で確かめてください。
Q. 建設業界への転職で年収は上がりますか?
A. 転職による年収の変化は、職種や資格、会社によって大きく異なり、公的な統計で一律に示せるものではありません。求人の条件を比べて確かめてください。
Q. 建設業界で高収入を得るために必要なスキルは?
A. 国家資格(1級建築士、施工管理技士等)の取得が最も効果的です。加えて、BIMやICT施工技術などのデジタルスキルを身につけると、さらなる収入アップが可能です。
Q. 建設業界の賃上げは今後も続きますか?
A. 技能労働者の不足は続いており、処遇の改善は今後も課題とされています。ただし賃上げ率は年ごとに変わるため、最新の春闘の集計で確かめてください。
※本記事の情報は2026年9月時点のものです。最新情報は各公式サイトでご確認ください。
最終更新: 2026年9月29日

