試験直前になると「なぜか集中できない」「30分で疲れてしまう」——そんな悩みを抱える受験生は少なくありません。実は、集中力は生まれつきの才能ではなく、習慣で鍛えられる力です。朝日新聞Thinkキャンパスの記事では、脳科学の専門家が集中力の持続時間について「15分程度」と話しています。この特性を理解した勉強法が、合格への近道になります。
この記事では、受験勉強で集中力を維持するための7つの習慣を具体的に解説します。読了後には、長時間勉強しても疲れにくい体質と、効率的な学習リズムを身につけることができるでしょう。特に、大学受験・高校受験を控えた学生や浪人生の方にとって、今日から実践できる内容をお届けします。
この記事のポイント
- 集中は15分ほどで途切れては戻るという専門家の話をもとに、学習のリズムを作る
- ポモドーロ法など、今日から試せる7つの習慣を紹介
- 自習室活用による環境変化で集中力を最大化
受験勉強で集中力が続かないのはなぜ?
受験生の多くが抱える「集中力が続かない」という悩みには、体や脳の仕組みから説明できる部分があります。脳の疲労メカニズムと注意力散漫の原因を理解することで、効果的な対策を立てることができるでしょう。

脳の疲労メカニズム
朝日新聞Thinkキャンパスの記事(2025年5月)で、公立諏訪東京理科大学の篠原菊紀特任教授は、集中力は15分程度しか持続しないと話しています。本人が「2時間集中できた」と感じるときも、実際には15分ほど集中しては途切れる波を繰り返しているそうです。また、集中せずにぼんやりしている時間も、学習にとって意味があるとしています。
脳はフル回転で勉強した後、重要なエネルギー源であるブドウ糖を大量消費します。脳は安静時でも1日に約120g(1時間あたり約5g)のブドウ糖を使うといわれています。食事を抜かずにエネルギーを補うことも、長く勉強を続けるための土台です。
また、国立精神・神経医療研究センターの研究では、1日4時間半ほどの睡眠が5日間続くと、不安や混乱、抑うつの傾向が強まったと報告されています(受験情報サイト MEDICHEN の紹介による)。これらの生理的な制約を理解することが、効果的な学習習慣構築の第一歩となります。
注意力散漫の原因
現代の受験生が直面する注意力散漫の最大要因は、スマートフォンとSNSです。スマホが机の上にあるだけで、課題の成績が下がったという研究もあります(Ward ほか、2017年)。一度途切れた集中を元に戻すにも時間がかかります。
その他の主要因として、以下が挙げられます:
- 学習環境の騒音(家族の会話、テレビ音など)
- 机周りの整理整頓不足
- 目標設定の曖昧さ
- 適切でない難易度の教材選択
これらの原因は個別に対処可能で、環境整備と習慣化により大幅な改善が期待できます。効果的な受験勉強法との組み合わせにより、さらなる学習効率の向上も見込めるでしょう。
集中力を高める7つの習慣
集中しやすくなる習慣を身につければ、同じ時間でも勉強を進めやすくなります。以下の7つの習慣は、今日から実践できる具体的な方法です。

習慣1: 25分集中・5分休憩のポモドーロ法
ポモドーロ法は、25分の集中学習と5分の休憩を1セットとする時間管理術です。東京大学の池谷裕二教授がベネッセの協力で中学1年生に行った実験(2017年)では、15分×3セット(計45分)に7.5分の休憩を2回挟んだグループの方が、60分続けて学習したグループより、1週間後の英単語テストで点数の伸びが大きくなりました(上昇スコア18.75点と16.00点)。ただし約30人の小規模な実験で、教授自身も、統計的に確かめるには大規模な実験が必要としています。
実践のコツは以下の通りです:
- タイマーが鳴ったら作業途中でも必ず手を止める
- 休憩中はスマホを触らず、軽いストレッチや深呼吸を行う
- 4セット完了後は15-30分の長い休憩を取る
- 1日の目標セット数を決めて達成感を得る
中断した箇所が気になることで次のセットへの動機付けにもなり、自然な学習リズムが生まれます。
習慣2: 勉強開始前の5分間ルーティン
毎回同じ行動パターンで勉強を開始することで、脳を学習モードに切り替えることができます。効果的な5分間ルーティンの例:
- 机の上を整理整頓する(1分)
- 今日の学習目標を紙に書く(1分)
- 深呼吸を3回行う(1分)
- 前回の学習内容を軽く復習する(2分)
このルーティンを続けるうちに、「これをしたら勉強を始める」という合図になり、集中状態に入りやすくなります。特に、朝の勉強開始時と夕方の復習開始時に実践すると効果的です。
習慣3: デジタルデトックス時間の設定
スマートフォンとSNSは集中力の最大の敵です。効果的なデジタルデトックス方法:
- 勉強時間中はスマホを別の部屋に置く
- アプリ使用制限機能を活用(1日2時間以内など)
- 通知をすべてオフにする
- 勉強机からWi-Fiルーターを遠ざける
完全な遮断が難しい場合は、「勉強90分→スマホ10分」のようにメリハリをつけた使用ルールを設定しましょう。デジタルデトックスにより、深い思考を要する問題にじっくり取り組む能力が向上します。

いつ勉強すると最も集中できる?
集中しやすい時間帯には個人差がありますが、起床後の2〜3時間は頭がすっきりしていると感じる人が多い時間帯です。朝と夜の特性を理解し、効果的な学習スケジュールを組み立てましょう。
習慣4: 朝の黄金時間を活用する
起床後の2〜3時間は「脳のゴールデンタイム」と呼ばれることがあります。この時間帯の良いところ:
- 前の晩に眠って、疲れが抜けている
- 家族からの声かけや連絡など、外からの妨害が少ない
朝の黄金時間の効果的な活用法:
- 最も苦手な科目から始める
- 新しい概念の理解に充てる
- 数学の応用問題や現代文の読解に集中
- 暗記は避け、思考を要する学習を優先
早起きが苦手な場合は、就寝時間を30分ずつ早めて徐々に朝型にシフトしていきます。
習慣5: 夜の復習タイムを確保する
夜の時間帯は記憶の定着に最適で、その日学習した内容の復習に向いています。睡眠中に記憶が整理・強化されると考えられており、寝る前に復習して、そのまま眠るのもよい方法です。
効果的な夜の復習方法:
- その日の学習内容を15分で振り返る
- 重要ポイントを声に出して確認
- 明日の学習予定を具体的に決める
- 理解不足の箇所をマークして翌日の課題とする
就寝2時間前からブルーライトを避け、リラックスした状態で復習を行うことで、質の高い睡眠と記憶定着の両方を実現できます。

どんな環境で勉強すべき?
学習環境は集中力に大きな影響を与えます。物理的な環境整備と、必要に応じた環境変化により、持続的な集中状態を作り出すことができるでしょう。
習慣6: 集中できる物理的環境の整備
理想的な学習環境づくりでは、照明・室温・湿度・騒音レベルの最適化が重要です。適切な環境設定により、眼精疲労の軽減、快適性の維持、集中力の持続、注意力の維持が実現されます。
机周りの整理整頓も重要で、視界に入る物は学習に必要な物のみに限定します。カラフルな物や気が散りそうな装飾品は別の場所に移動し、シンプルで落ち着いた空間を作ります。
また、椅子の高さは足裏全体が床につく高さに調整し、机との距離は肘が90度になる位置に設定することで、長時間の学習でも疲労を軽減できます。
習慣7: 自習室活用による環境変化
家庭学習だけでは集中力の限界を感じる場合、自習室の活用が効果的です。環境を変えることで脳に新鮮な刺激を与え、集中力をリセットできます。
自習室利用のメリット:
- 周囲の学習者からの良い刺激
- 家庭内の誘惑から離れられる
- 静寂な環境での深い集中
- 学習専用空間としての心理的効果
家では集中が続かなくても、周りに勉強している人がいる場所なら続けやすいという人もいます。
自習室選びのポイントは、アクセスの良さ、営業時間、座席の快適性、そして利用料金とのバランスです。図書館や有料自習室など、自分に合った選択肢を検討してみてください。

受験勉強で集中力が切れた時の対処法
どんなに習慣を身につけても、集中力が切れる瞬間は必ずあります。そんな時の即効性のある対処法と、長期的なモチベーション維持の方法を身につけておきましょう。
即効性のある気分転換術
集中力が切れた時の効果的なリフレッシュ方法:
- 笑って気分を切り替える:面白い動画を3〜5分見て笑うと、気分が切り替わります(見続けないよう、時間を決めておきましょう)
- 軽い運動:5〜10分の散歩や階段の上り下りで体を動かすと、気分が切り替わります
- 深呼吸と瞑想:4秒で吸って4秒止め、8秒で吐く呼吸を3回ほど繰り返すと、気持ちを落ち着けやすくなります
- 適切な仮眠:厚生労働省の「健康づくりのための睡眠指針2014」は、午後の早い時刻に30分以内の短い昼寝をとることが、眠気による作業能率の改善に効果的としていました(今は「健康づくりのための睡眠ガイド2023」に改訂され、日中の長い昼寝は夜の睡眠を妨げると注意しています)
重要なのは、気分転換の時間を事前に決めておくことです。「5分だけ」と決めてタイマーをセットし、時間が来たら必ず学習に戻る習慣をつけましょう。
長期的なモチベーション維持
受験勉強は長期戦のため、一時的な集中力回復だけでなく、持続的なモチベーション管理が重要です。
効果的なモチベーション維持策:
- 小さな目標の積み重ね:「今日は数学の問題集を10ページ」のような具体的で達成可能な目標を設定
- 進歩の可視化:学習時間や問題の正答率をグラフ化し、成長を実感できるようにする
- ご褒美システム:週単位の目標達成時に好きな食べ物や娯楽を用意
- 仲間との情報共有:同じ目標を持つ友人と定期的に進捗を報告し合う
また、スランプ期間は誰にでもあることを理解し、完璧を求めすぎないことも大切です。調子の悪い日は基礎的な復習に留めて、無理をせず翌日に備えることも戦略の一つです。

よくある質問
Q. 集中力を高めるサプリメントは効果がありますか?
A. サプリメントよりも、まずは基本的な生活習慣の改善が重要です。十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動により、自然な集中力向上が期待できます。食事を抜かず、脳のエネルギー源になる糖質をとることも大切です。
Q. 音楽を聞きながら勉強するのは集中力に良いですか?
A. 歌詞のない環境音楽やクラシック音楽は、一部の人にとって集中力向上に効果があります。ただし、新しい概念を学習する際は無音環境が推奨されます。自分に合うかどうかを試してみて判断しましょう。
Q. 集中力が続かない日はどう過ごせばいいですか?
A. 無理に難しい問題に取り組まず、既に理解している内容の復習や暗記作業に切り替えましょう。また、学習計画の見直しや、翌日の準備に時間を使うことで、無駄な時間を作らずに済みます。
Q. 朝型と夜型、どちらが受験勉強に有利ですか?
A. 起床後2〜3時間の朝の時間帯に集中しやすいと感じる人は多いものの、個人差があります。重要なのは自分のリズムを把握し、最も集中できる時間帯に重要な学習を配置することです。夜型の人も、徐々に朝型にシフトすることで学習効率の向上が期待できます。
Q. 家族がいる環境でも集中して勉強できる方法はありますか?
A. 家族に学習時間を事前に伝え、協力を求めることが第一歩です。また、ノイズキャンセリングイヤホンの使用や、パーテーションで視覚的な遮断を作ることも効果的です。どうしても集中できない場合は、図書館や自習室の利用を検討しましょう。
まとめ
受験勉強で集中力を維持するための7つの習慣は、どれも今日から試せる方法です。大切なのは、集中は15分ほどで途切れては戻る波を繰り返すもの(朝日新聞Thinkキャンパスの記事での篠原菊紀特任教授の話)と理解し、途切れたら立て直す前提で学習のリズムを作ることです。
ポモドーロ法による時間管理、デジタルデトックス、朝の黄金時間の活用、適切な学習環境の整備——これらの習慣を段階的に取り入れることで、長時間の集中学習が可能になります。家で集中しにくい人は、自習室のような勉強のための場所を使うのも一つの方法です。
集中力は一朝一夕で身につくものではありませんが、習慣にして続けるうちに、集中しやすい状態を作りやすくなります。今日から1つでも実践し、自分に最適な学習リズムを見つけてください。受験成功への道のりで、これらの習慣が強力な武器となることでしょう。
※本記事の情報は2026年9月時点のものです。最新情報は各公式サイトでご確認ください。
最終更新: 2026年9月29日
参考サイト
- 【受験生必見】勉強の集中力を爆上げする方法10選 — 武田塾
- 受験勉強で集中力が上がるリフレッシュ法7選【だらけすぎない予防策も】 — MEDICHEN
- 大学受験で集中力を高める方法7選|勉強に疲れた受験生へのアドバイス — SKY予備校
- 集中力が続くのは15分だけ 脳科学の専門家が教える、勉強を持続させるコツとは — 朝日新聞Thinkキャンパス
- 勉強に集中できない受験生へ!集中力を高めるための対処法8選 — 受験のミカタ
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