公立高校を調べていると、「SSH指定校」「WWL拠点校」「国際バカロレア認定校」など、さまざまな言葉に出会います。これらは学校が独自に名乗っているものではなく、国の事業や全国規模の仕組みに基づくもので、多くは公式の一覧で確かめられます。
この記事では、公立高校で選べる独自プログラムを7つの仕組みに分けて、目的・数・実例と、公式の一覧での探し方を紹介します。それぞれの分野の特色と高校選びでの考え方は、公立高校の独自プログラムとは?4分野の特色と選び方で解説しています。
この記事のポイント
- SSH・WWL・国際バカロレアなど7つの仕組みを、目的と数・実例で紹介
- どの仕組みにも公式の一覧や案内があり、住んでいる地域の学校を自分で探せる
- 数字は2026年の公式発表にもとづく(SSH 233校・DXハイスクール 1,249校など)
公立高校の独自プログラムを7つの仕組みで整理すると?
次の表は、この記事で紹介する7つの仕組みです。数は、それぞれの公式発表の時点のものです。
| 仕組み | 主な分野 | 始まり・数 | 公式の一覧・案内 |
|---|---|---|---|
| スーパーサイエンスハイスクール(SSH) | 理数 | 平成14年度から・令和8年度は233校 | 科学技術振興機構「SSH指定校」 |
| WWL | 国際・探究 | 2019年度から拠点校を採択 | WWL公式サイト「採択機関」 |
| 国際バカロレア(IB) | 国際 | 国内の認定校等 273校(2026年6月30日時点) | IB教育推進コンソーシアム「IB認定校・候補校」 |
| 地域みらい留学 | 地域 | 全国190の公立高校 | 地域みらい留学「学校を探す」 |
| マイスター・ハイスクール | 専門高校 | 令和3年度から指定 | 文部科学省の事業ページ |
| DXハイスクール | 情報・数学 | 令和8年度は1,249校(うち公立920校) | 文部科学省の採択校一覧 |
| 新しい普通科(学際領域学科・地域社会学科) | 学際・地域 | 令和4年度から設置が可能 | 文部科学省・都道府県の教育委員会 |
1. スーパーサイエンスハイスクール(SSH)
文部科学省が平成14年度から、科学技術や理科・数学の教育に関する研究開発を行う高校を指定している事業です。将来の国際的な科学技術人材を育てることが目的で、理科・数学に重点を置いたカリキュラムの開発や、大学などと連携した理数系の教育に取り組みます(出典: 文部科学省「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」)。
令和8年度の指定校は全国233校です。科学技術振興機構(JST)の「SSH指定校」のページでは、都道府県別・指定期数別・類型別に学校を探せます。公立では、愛知県立岡崎高校、東京都立日比谷高校、大阪府立住吉高校などが載っています(2026年6月4日更新の一覧)。
一覧には、学校ごとの指定年度、分類(基礎枠など)、指定の期も載っています。例えば愛知県立岡崎高校は、令和6年度指定の「先導的改革Ⅰ期」です。

2. WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)
将来、世界で活躍できるイノベーティブなグローバル人材を育てるための、文部科学省の事業です。スーパーグローバルハイスクール事業の実績も生かしながら、高校の先進的なカリキュラムの研究開発と実践、その取り組みを続けるための体制づくりを進めます(出典: WWL公式サイト「WWLとは」)。
WWL公式サイトの「採択機関(カリキュラム開発)」には、2019年度から年度ごとの拠点校が載っています。公立では、2019年度の東京都立南多摩中等教育学校と大阪府立北野高校、2021年度の奈良県立国際高校、2023年度の福島県立ふたば未来学園中学校・高等学校などが挙がっています。

3. 国際バカロレア(IB)の認定校
国際バカロレアは、国際バカロレア機構(本部ジュネーブ)が提供する国際的な教育プログラムです。16〜19歳を対象とするディプロマ・プログラム(DP)では、決められたカリキュラムを2年間学び、最終試験で所定の成績を収めると、国際的に認められる大学入学資格(国際バカロレア資格)を取得できます。授業は原則として英語・フランス語・スペイン語で行い、一部の科目を日本語で行う形(日本語DP)もあります(出典: IB教育推進コンソーシアム「IBについて」)。
文部科学省の「IB教育推進コンソーシアム」によると、国内の認定校等は273校、そのうちDPの認定校は80校です(2026年6月30日時点)。公立でDPを置く学校には、東京都立国際高校、神奈川県立横浜国際高校、大阪府立水都国際高校などがあり、横浜国際と水都国際は日本語DPの実施校です。学校教育法の第1条に定める学校(一条校)の認定校等は95校で、そのうち37校が日本語DPを実施しています。
4. 地域みらい留学
住んでいる都道府県の枠を超えて、全国の公立高校から自分の関心に合う学校を選び、高校3年間をその地域で過ごす国内進学の仕組みです。公式サイトには、全国190の公立高校が載っています(出典: 地域みらい留学「地域みらい留学とは」)。
参加している学校の一つが、島根県立隠岐島前高校です。学校の公式サイトでは、全国から生徒を受け入れる「島留学」と寮生活の案内を公開しています。受検までの流れは、地域みらい留学の公式サイトで紹介されています。

5. マイスター・ハイスクール(専門高校)
産業界と専門高校が一体となって、地域の産業を支える最先端の職業人材を育てる文部科学省の事業です。令和3年度から指定が始まり(新しい指定は令和5年度まで)、企業から迎えた「マイスター・ハイスクールCEO」が管理職に相当する立場で学校のマネジメントに加わるほか、企業での授業や実習を数多く行います。令和6年度からは、取り組みを全国に広げる普及促進事業も行われています(出典: 文部科学省「マイスター・ハイスクール(次世代地域産業人材育成刷新事業)」)。
例えば福井県立坂井高校は、令和3〜5年度の指定校として、地域の企業での研修や、産業界の実務家教員による授業、学校設定科目「ふくいの産業」などに取り組みました(出典: 福井県立坂井高校「マイスター・ハイスクール事業 最終報告書」)。

6. DXハイスクール(高等学校DX加速化推進事業)
情報や数学の教育を重視したカリキュラムと、ICTを使った文理横断的・探究的な学びを強化する高校に、必要な環境整備の費用を国が支援する事業です。デジタルなどの成長分野を支える人材の育成を、高校の段階から強化するのがねらいです。
令和8年度は1,249校(公立920校、私立329校)が採択されました。このうち80校は重点類型で、グローバル型20校、特色化・魅力化型10校、プロフェッショナル型50校(うち半導体重点枠10校)です。採択校の一覧は、文部科学省の2026年4月1日の発表の別添で確かめられます(出典: 文部科学省「令和8年度高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)の採択校をお知らせします」)。

7. 新しい普通科(学際領域学科・地域社会学科)
令和3年1月の中央教育審議会の答申で示された「普通科改革」により、令和4年度から、普通科のほかに「学際領域学科」と「地域社会学科」を置けるようになりました。文部科学省は、これらの学科の設置を予定する学校の取り組みを支援しています(出典: 文部科学省「新時代に対応した高等学校改革推進事業」)。
名前のとおり、学際領域学科は分野をまたぐ学び、地域社会学科は地域に関する学びを軸にした学科です。住んでいる地域で設置している学校は、都道府県の教育委員会の高校案内で確かめましょう。

公式の一覧で学校を探すときのポイント
どの仕組みにも公式の一覧や案内がありますが、見るときに気をつけたい点が4つあります。
年度と更新日を確かめる
SSHやWWLには指定の期間があり、年度によって学校が入れ替わります。この記事で使ったSSHの一覧は2026年6月4日更新、国際バカロレアの一覧は2026年6月30日時点のものです。受検する年度の一覧を見るようにしましょう。
仕組みの名前だけで判断しない
同じSSHの指定校でも、課題研究の進め方や大学との連携の内容は学校ごとに違います。学校が公開している報告書や、学校説明会の資料で、実際の取り組みを確かめるのがおすすめです。
説明会やオープンスクールで確かめる
一覧で候補の学校を見つけたら、学校説明会やオープンスクールの日程を、学校の公式サイトで確かめましょう。隠岐島前高校のように、オープンスクールや寮生活の案内を公式サイトに載せている学校もあり、入学後の生活を具体的に思い描く手がかりになります。
国立・私立も入った一覧がある
SSHの一覧には国立・私立の学校も載っており、DXハイスクールの採択校にも私立が329校含まれています。公立高校を探している場合は、学校名の「都立」「県立」「市立」などで見分けましょう。
まとめ
公立高校の独自プログラムは、SSH・WWL・マイスター・ハイスクール・DXハイスクールのような国の事業、国際バカロレアのような国際的な認定、地域みらい留学のような全国規模の仕組み、そして令和4年度から設置できるようになった新しい普通科の学科に分けて考えると整理しやすくなります。
どの仕組みにも公式の一覧や案内があるので、気になる仕組みが見つかったら、まず一覧で住んでいる地域の学校を探し、次に学校のサイトや説明会で実際の取り組みを確かめる、という順で調べるのがおすすめです。
分野ごとの特色や、進路目標との合わせ方は、公立高校の独自プログラムとは?4分野の特色と選び方もあわせて読んでみてください。
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よくある質問
Q. SSHの指定校は何校ありますか?
A. 令和8年度は全国233校です。科学技術振興機構(JST)の「SSH指定校」のページで、都道府県別に確かめられます。
Q. SSHとWWLの違いは何ですか?
A. SSHは、将来の国際的な科学技術人材を育てるため、理科・数学に重点を置いた教育に取り組む事業です。WWLは、世界で活躍できるイノベーティブなグローバル人材を育てるため、先進的なカリキュラムの研究開発と実践に取り組む事業です。
Q. 国際バカロレアのDPは日本語で学べますか?
A. DPは原則として英語・フランス語・スペイン語で行いますが、一部の科目を日本語で行う「日本語DP」の学校もあります。公立では、神奈川県立横浜国際高校、大阪府立水都国際高校、高知県立高知国際高校などが日本語DPの実施校です(2026年6月30日時点)。
Q. 地域みらい留学では、どんな学校を選べますか?
A. 公式サイトには全国190の公立高校が載っており、住んでいる都道府県の外の学校も選べます。受検までの流れは、地域みらい留学の公式サイトで紹介されています。
Q. DXハイスクールの採択校はどこで確かめられますか?
A. 文部科学省が2026年4月1日に発表した「令和8年度高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)の採択校」の別添に一覧があります。令和8年度は1,249校(公立920校、私立329校)です。
※本記事の情報は2026年9月時点のものです。最新情報は各公式サイトでご確認ください。
最終更新: 2026年9月29日
※本記事内の統計・数値・データは記事公開時点の情報です。最新情報は各公式サイトでご確認ください。
参考サイト
- 文部科学省「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」
- 科学技術振興機構「SSH指定校 都道府県別」(2026年6月4日更新)
- WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業「WWLとは」
- WWL「採択機関(カリキュラム開発)」
- IB教育推進コンソーシアム「IBについて」
- IB教育推進コンソーシアム「IB認定校・候補校」(2026年6月30日時点)
- 地域みらい留学
- 島根県立隠岐島前高等学校「島留学」
- 文部科学省「マイスター・ハイスクール(次世代地域産業人材育成刷新事業)」
- 福井県立坂井高等学校「マイスター・ハイスクール事業 最終報告書(令和3年度〜令和5年度)」
- 文部科学省「令和8年度高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)の採択校をお知らせします」(2026年4月1日)
- 文部科学省「新時代に対応した高等学校改革推進事業」

